さめないゆめ・・・

HSP・内向型人間が綴るブログ。日々の雑感、本や映画の感想(イギリス、ヨーロッパ多め)などについて書いています。

「タイムマシン」(H.G.ウェルズ 1895年)

SFの父と言われているウェルズのタイムマシンを読みました。

本格的初ウェルズです。(短編は別の本で読みましたが)

この作品が書かれた頃って、日本で言うと明治時代ですよね。ついこの間まで江戸時代だった頃ですよね!?それが何だか信じられなくて・・・タイムマシンの元祖ってドラえもんの作者の藤子先生だと思っていたし。

 

 

取りあえず内容の感想。

うーん、古さを感じさせない、さすがSFの父と呼ばれた人の本ですね。当時のイギリス社会の風刺でもあるらしいのですが、ああいう未来だってあり得ますよね。人間が凄い形に進化(?)しちゃうっていう。イーロイの語源は分かりませんが、モーロックは聖書に出てくる悪魔(元は異教の神)の名前だと思います。

 

読む前は「ワクワクドキドキ!楽しいタイムトラベル」な感じかと思っていましたが、結構ダークでヘビーでした。ヒロインのウィーナのことがなければ、後味はそんなに悪くなかったのでしょうが、ウィーナがやっぱり可哀想すぎて・・・

TTのポケットに摘んだ花を入れたり、火を見せてもらったり抱きかかえられると喜んだり、TTが井戸に入る時は心配して手を引っ張ったり・・・もうその一つ一つの動作が凄く愛おしいんですね。TTじゃなくても守ってあげたくなる!

 

そして、更に年月が経った後の未来。いわゆる「終末」ですよね。終末なんですけど、どこか終末とは言い難い気もします。カニ型の生物が滅んだ後も海だけが静かに動いていたように、人類の歴史が終わっても時間は淡々と流れていくから・・・だから、終末というよりも「静寂」というか「虚無」というか・・・そんな感じに近いなと思いました。ただ、ひどく寂しい、もの悲しい・・・未来の地球の描写は何とも言えない切なさが胸にじんわりと湧き起こってきました。昔遊んだN64のゲームムジュラの仮面を思い出しました。

 

あと向こうの人の自然観って、「自然を征服する」っていうのがあるんですね。最初は冗談かと思っていましたが結構皆考えているっぽい。(最近はどうか知りませんが)日本に住んでいて自然災害を見たり、日本昔話を見ていたりするとそういう発想はまず出てこないですね。自然は征服できるものではないし、しようと思ってもいけないっていうのが大前提っていう思いがあるし、災害に会われた方のインタビュー見ていても「自然には勝てない」というコメントが多いし。

 

結局TTは帰ってこないまま物語は終わるんですね。

他の人の考察では「ウィーナを助けに行ったのでは」とありましたが、実のところどうだったのでしょう?

現代人から見たら多少の古臭さはあるのかもしれないですが、こういう先駆者や元祖達の作品は読んだ方が良いような気がします。