さめないゆめ・・・

HSP・内向型人間が綴るブログ。日々の雑感、自分が自分であること、人生について、本や映画の感想(イギリス、ヨーロッパ多め)などについて書いています。

映画感想 「ドクトル・ジバゴ」(1965年 アメリカ・イタリア制作)

アラビアのロレンス」で有名なデヴィッド・リーン監督の作品です。

「アラビアの~」で、アラブの族長・アリを演じたオマー・シャリフ氏が主人公ユーリ・ジバゴを演じています。

 

 

大まかな内容としては・・・ロシア革命に翻弄される男女の愛です。妻トーニャと愛人ラーラの間で揺れ動き、同時に革命に呑みこまれてゆく、医者であり詩人でもあるジバゴの切ない姿が描かれています。(背景が色々と複雑なのであらすじは省略) ロシア革命を背景にしたラブストーリー・・・ということで、池田理代子先生の「オルフェウスの窓を思い出す方もいるかもしれません。

 

全体的な感想としては、良い意味で生々しくなく見やすい映画でした!

不倫や革命、流血・・・といったシーンは多いのですが、結構あっさり進んでいくので見ていて鬱々とする感じはほとんどありません。

それでいて、一つ一つのシーンが丁寧に細やかに撮られています。アングルやカメラワークが絶妙で、「光」の使い方が非常に美しいです!(例えば、シリアスな会話のシーンだと人物の目元だけに光を当てたりとか、ぼやけたガラス窓が蝋燭の火に照らされ、次第に中の様子が鮮明になってくるところとか・・・)

最初のジバゴのお母さんのお葬式、ロシアの厳しい冬のシーンでさえどこか芸術的な美を感じます。

 

一応、不倫愛が描かれています・・・が。不倫物が苦手な私でも嫌な印象はありませんでした。

ジバゴがどこか浮世離れした・・・というか性的な香りがしないんですよね。まず、シャリフ氏の目つきが「アラビアの~」時と全然違う!

女性的なヒーロー(あるいはヒロインと言って良いかも)であるロレンスと対になるかのように、アリはひたすら雄々しく男性的だったんですよね。

でも、今回のジバゴはアリよりもロレンスに近いタイプの男性に思えます。序盤でデモが鎮圧される様を見るジバゴの目には、思春期の少年少女のような繊細さがありました。それは映画が終わるまで変わりません。

そして、何より全ての人に対する愛情が根底にあります。なので、愛人であるラーラとの許されざる恋も「男女の愛」を超越した人間愛に見える。その愛は自身の家族や患者へ向けるものと何ら変わりがないのです。

架空のキャラに例えると、美少女戦士セーラームーン」のうさぎちゃんみたいな感じですかね。彼女もまた、恋人・家族・友達・・・更にはかつて敵だった者にさえ分け隔てない愛情を注ぎます。誰かを一人だけ選ぶというのが出来ない。皆大切だから・・・ジバゴもまさに「愛の人」なのでしょう。

 

基本的にジバゴはかっこいいというより可愛い系のキャラだと思います(笑)それに彼の妻であるトーニャ、息子サーシャ、義父アレクザンダーも皆どこか可愛らしいんですよね(*^_^*)

それから、いわゆる男性を次々虜にする「魔性の女」タイプの女性は好きではないのですが、ラーラは別でした。彼女もまた可愛いんです!何か守ってあげたくなる。

ラーラ役の女優さん凄い!って思ったのが、序盤の頃と母親になった中盤の頃で表情が全然違うところ。「えぇっ!?つい数十分前まで、世間知らずのお嬢さんの顔だったのに、今はちゃんと母親&大人の女性の顔になってる!」って驚きましたもん(笑)彼女の娘のカーチャも可愛いよね!

ジバゴと一緒にいる時、彼の黒髪とラーラの金髪が対照的になっていて実に綺麗なんですね。アンドレとオスカル様見ているみたいな気分で。

 

もっと硬派な感じの映画を想像していたのですが、こんなに登場人物が愛らしい人ばかりだったとは・・・でも、ラーラの旦那さんであるパーシャと、ジバゴの異母兄の将軍は怖かったし、コマロフスキーにはムカついた(笑)

ジバゴのお兄さんを演じたのは、私の大好きな英国俳優アレック・ギネスです。「アラビアの~」でシャリフ氏と共演されていましたよね。彼の目つきが時々マダムと泥棒」の教授っぽくなってて「こわ!」と思いました(^_^;) 弟思いのお兄さんなんですけどね。

 

トーニャの女優さんはジェラルディン・チャップリンという人で、その苗字からすぐにあの有名なチャーリー・チャップリンと関係があることが分かるかと思います。彼女はチャーリーの娘さんなんですね。

 

ラーラの女優さんはジュリー・クリスティというイギリスの方で、何とハリー・ポッターとアズカバンの囚人に出演されていたんです!(マダム・ロスメルタ役)

今、昔の洋画フィーバー中でよく見ているんですが、そこで知った俳優さん・女優さんが、最近の映画で年配の役で出演されているのを見ると驚きと不思議な喜びがあります。

 

ドクトル・ジバゴ」は原作があるので思い切って購入しました。

映画だけだと登場人物の細かい心理描写が分からなくて・・・

序盤でラーラがどうして、コマロフスキーの誘いに乗ってしまったのかとか・・・(個人の推測としては、婚約者パーシャの思想についていけなくなり、すがれる人が欲しくなったから・・・とか)

あと、ラーラのお母さんが毒を飲んだのは「風邪薬と間違えたから」という呑気な想像をしていました(苦笑)本当は自分の愛人(コマロフスキー)と娘がデキてしまったから・・・らしいです。

 

ドクトル・ジバゴ」は上記のように、革命・不倫の恋を主題にしながらも変な生々しさ及びいやらしさがなく、各シーンが一つ一つ丁寧に撮られてい品があるので、映画初心者の方にもおすすめできる一品です。

 

 

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