随想手帖

時に真面目に、時にゆるく綴っております。ちなみにオタク(腐)です。

「禁じられた遊び」(1952年 フランス制作)

あの有名なフランス映画です。いつか見ようと思って、この間ようやく見ることが出来ました!映画だけでなく、使われた曲も有名だそうですね。

 

 

あらすじ

1940年、フランスにナチス・ドイツが侵攻する。家族と共に逃げてきた少女ポーレットは、その途中で両親と飼い犬を喪ってしまう。愛犬の亡骸を抱えながら彷徨い続けていた彼女は、やがて自分より年上の少年ミシェルと出会う。そして、ポーレットはミシェルの家に置いてもらえることになり、新たな生活が始まる。

幼く無垢なポーレットは「死」や信仰、お祈りについてはまだ何も知らなかった。ミシェルはそんなポーレットに「愛犬の死」と「お墓の作り方」について教え、二人で水車小屋にお墓を作った。少年と少女の『禁じられた遊び』はそこから始まったのだった・・・

 

 

視聴する前はもっと悲しくて暗い感じの映画なのかなと思っていました。戦時中のお話ですし・・・

しかし・・・実際に見てみると、確かにそういう悲しさ、陰鬱さはあったものの、決してそれだけではありませんでした。

戦争と隣り合わせでありながらも、日常を力強く生きる人々の姿がそこにあったのです。時にはクスリとする場面も交えたりしながら。

それはミシェルとポーレットも同じで・・・子供達の純粋さや無垢さを描きつつも、子供特有の「無邪気さゆえの残酷さ」や「したたかさ」もきちんと描いていました。ミシェルもポーレットも弱々しく守られるだけの存在ではなかったのです。

そこがリアルでもあり素直に腑に落ちたところでもあります。

 

反戦映画」とも言われていますが、真っ向から「戦争反対!」と訴えかけるものではなく、それによってもたらされる悲劇を切々と描いていました。あのギターの曲と同様に流れるように、静かな響きを以って・・・

 

そして、何より制作側の「問いかけ」があったように思えます。

大人たちは十字架を使って無邪気に遊ぶミシェルとポーレットを見て、「こんな遊びをするなんて!」と怒ります。でも、空を見上げると爆弾を積んだ飛行機が飛び交い、いとも簡単に大勢の人を殺していきます。

 

「そんなお説教をするけれど、大人たちはどうなの!?大人たちだって嘘をついているじゃない!平気で命を弄んでいるじゃない!それは違うの!?」

 

この映画からはそんな叫びが聞こえてくるようです。

「子供社会」から「大人社会」へ・・・矛盾に対する疑問、欺瞞に対する怒りが、終始ミシェルとポーレットを通して投げかけられていたように思えます。特にミシェルは直感的に「大人社会のひずみ」に気付いていたのではないでしょうか。ポーレットが連れて行かれる時のミシェルの悲痛な叫びこそが、その現れであったように見えてならないのです。

 

最後、ミシェルとポーレットは「大人たちの嘘」により離れ離れになってしまいます。でも、ミシェルの両親も責められないんですよね。やっぱり一家食べていくのだけで精一杯ですし、ちゃんとしたところに引き取ってもらう方が良いという判断もあったのでしょうし・・・

あの後すぐに・・・は無理だったのでしょうけれども、未来で二人は再会出来た・・・そう信じたいです。

 

 

それから水車小屋にいたフクロウの目が宝石のように輝いていて美しかったです。何より可愛かった(*^_^*)鳥好きにとっては嬉しいシーンでした!

 

この映画・・・というより、テーマ曲である『愛のロマンス』にはちょっとした思い出がありまして・・・

私は子供の頃、ピアノを習っていたんです。そして、クリスマスには発表会があるんですね。そこで『愛のロマンス』を弾いたのです。

祖母がピアノを持っていたので、いつも練習は祖父母宅でした。練習のため『愛のロマンス』を弾いていると、聞いていた祖父が「それ、『禁じられた遊び』だよ」と言ったのです。

私には何のことかさっぱり分からず、「何の話だろう?曲のタイトルは『愛のロマンス』としか書かれていないのに・・・」って思っていました。そして、大人になってこの映画を知り、「昔じいちゃんが言っていたのはそういうことだったのか!」と理解出来たのでした。祖父は洋画が好きでよく見ていたようです。

 

ピアノをやってはいましたが、私は基本的に「自分の耳で音を聞き取れず、楽譜がなければ弾けない」という音痴です(笑)

その中で暗記して弾くことの出来た数少ない曲がこれだったんですね。

シンプルで静かだけれど、深々と胸に染みわたっていく・・・まさにこの映画に相応しい曲なのでした・・・

 

 

 

 

 

禁じられた遊び [DVD]

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