随想手帖

時に真面目に、時にゆるく綴っております。ちなみにオタク(腐)です。

「宝島」(スティーヴンソン 1883年) 

超有名な海洋冒険小説ということで読みました。

確かに『大海賊の隠した財宝』『謎の島』『海賊との戦い』ということで、宝探しものの定番でしたね。

 

 

あらすじ

舞台は、イギリスのとある海辺の小さな宿屋『ベンボー提督亭』。その宿屋の一人息子ジム・ホーキンズが主人公兼語り手である。

ある日、宿屋に謎の男が客としてやって来る。彼の名前は「ビリー・ボーンズ」と言い、顔に傷を持ち大きな箱を携えていた。彼は『一本足の男』にひどく怯え、ジムにその見張りを命ずる。ビリーは恐怖心から酒に溺れるようになり、また宿屋には物騒な男達がビリーを狙って現れるようになる。そして、その男達の一人から紙切れを渡されたビリーはショック死してしまう。ジムは彼の持っていた箱の中から、一枚の地図を見つける。なんとそれは『大海賊フリント』が隠した財宝のありかを示す地図だったのだ・・・

 

 

この作品を語る上で欠かせないのが、ジョン・シルバーというキャラクターです。

彼は「大海賊フリント」の残党で、フリントが唯一恐れた男でした。片足を失い、一本足となって杖をついていますが、その辺の海賊どもより屈強な男です。そして、肩にはかつての船長を小馬鹿にするかのように「フリント」と名付けたオウムを止まらせています。

このシルバーのキャラクターは相当強烈だったようで、後の海賊像に大きな影響を与えた一人に数えられるようです。(ピーターパンのフック船長もその中の一人だと思います) 性格面も、善とも悪ともつかぬ言動を取ったり、主人公のジム少年とある種の信頼関係を結んだり・・・と単純な悪役に当てはまらないキャラクターとなっています。

 

シルバーは最初ジムや善側の人間たちを誑し込んで、うまいこと船に乗り込みます。その後も水面下で仲間を募り、島についた後に反乱を起こします。

数の上で、ジム達は圧倒的不利な状況での戦いを余儀なくされます。この、宝島での攻防戦がこの作品の一番の見どころかもしれません。ジム達は不利ながらも、諦めることなく戦い続けるんですね。ジムが単身ヒスパニオーラ号に乗り込み、海賊達とやり合うシーンもハラハラドキドキの連続です!

ジムは乗組員の中で唯一の子供ですが、決して脳内お花畑ではありません。それなりに狡いことも考え、残酷なこともやってのけます。(シルバーに比べればずっと可愛いほうなんですけれど)

 

シルバーの他にも、魅力的なキャラクターがたくさんいます。

海賊相手にも動じない医者のリブシー先生や、戦いに不向きかと思いきや、実はかなりの猛者だった郷士のトレローニさん。仕事に対しては厳しくも、ぶれない信念とプライドを持っているスモレット船長など・・・

スモレット船長はこの航海に乗り気ではなかったんですよね。財宝を巡る戦いにも半ば巻き込まれるような形だったのに、最後まで船長としての責任を果たそうとするんです。あと部下に対しては凄く厳しく接するのですが、反面どこか甘いというか・・・優しさを捨てきれないギャップも素敵だったり。とてもいいキャラクターだったからこそ、戦いの中で亡くなってしまったことが悔やまれます・・・

 

そして、この作品・・・女性キャラクターがほとんど登場しない作品でもあるんですね。

冒頭にジムのお母さんが出てくるだけで。シルバーの奥さんについても言及されていますが、直接は出てこないですし・・・少年冒険ものとはいえ、ヒロインらしいヒロインが出てこないというのは結構珍しいかも・・・?

 

 

この『宝島』をアニメ化したものが、1978年に製作されています。

原作とは違い、ジョン・シルバーが『男の考える理想の男』として描かれていて、多くの男性たちの憧れになったとか。そんな評判から私もついにDVDを買ってしまいました・・・確かに。

シルバーがかっこよかった!!あれは惚れるよ!(*^_^*)

 

これについては、また別の日に書いていこうと思います。

 

 

 

 

宝島 (新潮文庫)

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