随想手帖

時に真面目に、時にゆるく綴っております。ちなみにオタク(腐)です。

「キス・キス」(ロアルド・ダール 1960年) 異色作家短篇集①

私が一番最初に買った異色作家短篇集です。コーチャンフォーにこのシリーズがずらーっと並んでいました。2005年出版の新装版はカラフルで並ぶとグラデーションになっていて綺麗なんですね。その色と「一味違う異色な作品」というキャッチコピーに惹かれて、取りあえず1巻目のダール作「キス・キス」を購入。本当は大人買いしたかったんですけれど、量が多いのと「作風が合わなかったらお金の無駄になるし」・・・ということで一冊だけ。

 

ダールといえばチャーリーとチョコレート工場の原作者。原作は未読ですが、ジョニー・デップの映画は見ました。児童文学を多数書いたダールですが、今作のように大人向けも書いています。

 

大人向けということもあってか、不気味で後味の悪い短編が多かったですね~。あとシニカルなブラックコメディも多い。(ダールはイギリスの作家なので、むしろ本領発揮とも言うべきか。)

 

一番のお気に入り作品は「牧師のたのしみ」です(*^_^*)

これぞイギリス的ブラックコメディ!と言っても過言ではない気がします。イーリングスタジオで映画作ったら絶対面白いと思う。

がめつい骨董商が牧師に変装してあちこち回り、あこぎなやり方で家具を手に入れていくんです。そんな中、チッペンデール(イギリスの有名な家具職人で、ディズニーキャラクターのチップ&デールの名前は彼から取られた)の作った家具に出会い、何とかその持ち主と交渉して手に入れようとするのですが・・・という内容。

結末がイギリス人好みのブラックユーモア満載です。(イーリングコメディやモンティパイソン的なオチ) 同じ系統として最後の「ほしぶどう作戦」もそうです。

 

「暴君エドワード」は何だか、奥さんよりも旦那さん(=エドワード)に肩入れして読んでいましたね。奥さんがある日やって来た猫を「リストの生まれ変わり」とかなんとか言い出すんですけど、その様子が結構うざくて・・・(苦笑)

 

シリアス系だと「誕生と破局」があります。とある赤ん坊が誕生し、母親が「強く育ちますように」と願うのですが・・・その赤ん坊こそ、「ドイツの有名なあの人」なんですね。毒々しいというよりは運命の皮肉的な、どこか物悲しさの残るお話です。

 

 

特に印象に残った作品はこんな感じですね。

イギリス特有の黒さ・シニカルさが好きな方にはおすすめできる一冊です~。

上でも書きましたが、この作品群はイーリングスタジオでオムニバス形式で撮影したら絶対面白いと思います (*^。^*) 出たらDVD即買いですね! 叶わぬ夢だけれど・・・

 

 

 

 

キス・キス

キス・キス