随想手帖

時に真面目に、時にゆるく綴っております。ちなみにオタク(腐)です。

「さあ、気ちがいになりなさい」(フレドリック・ブラウン) 異色作家短篇集②

異色作家短篇集の中でも、屈指の強烈なタイトルだと思います。

ダールの皮肉たっぷりのブリティッシュストーリーとは打って変わって、今度はアメリカンストーリーです。(訳はあの星新一さん!)

同じブラックな作品でも、イギリスとアメリカはやっぱりどこか違うんですよね。アメリカは黒くても分かりやすい感じで、イギリスは難解な皮肉のオンパレード、そして捻くれ度が高い!(※褒めています)

どっちもそれぞれ面白くて好きなんですけどね!

 

 

読んだのがもう一年以上も前なので、思い出せる範囲内での感想になります~

 

一番印象に残っているお話が、実はタイトルの作品ではなく「ユーディの原理」というお話だったりします。

見えない存在(小人?)が、画期的な発明をもたらす・・・的な内容だった気がします。その「画期的な発明」というのは、「時間を一気に進める」こと。ただし、スピードが一瞬になるというだけで過程はすっ飛ばせないという感じ。

このお話を読んだ時に真っ先に思い出したのがドラえもんの道具です。(ちなみに私は大山ドラ世代です・笑)

昔見たドラえもんの道具で似たようなものがありまして・・・クリスマスが待ち遠しいのび太がその道具を使って時間を進めていくんです。でも、お目当てのクリスマスプレゼントはなかなか当たらず・・・そして、使いすぎた結果大人になってしまいました。そこに用意されたお目当てのクリスマスプレゼントに喜ぶ大人のび太ですが、実はそれはのび太の子供のためのものだったのです。バッドエンドになるか?と思われますが、使いすぎた道具が壊れてしまい、のび太は無事元の時代に帰ってくる・・・みたいなお話でした。

もしかして、ドラえもんのこの道具のお話はブラウンの「ユーディの原理」が元ネタなのかなー・・・とも考えたり。とあるサイトで、藤子先生の本棚が出ていたのですがそこに異色作家短篇集があったんですね!このシリーズは読んでいくと、「藤子先生や手塚先生も読んで影響を受けたのかも」というお話がたくさん出てきます。

SFといえば漫画でしか知らなくて・・・その中でも藤子先生・手塚先生ぐらいしか知らなかった私としては、他の国々でもこういう発想・アイディアっていっぱいあったのね・・・と今更ながら驚きを隠せないのです(^_^;)

 

「おそるべき坊や」にいたっては、ストーリーよりも悪役(?)のガーバー大王に釘付けでした。ガーバー大王っていうネーミングが後からじわじわきます(笑)

 

「電獣ヴァヴェリ」は現代社会への皮肉ですね。現代の作家さんより、この時代(戦前~戦後ぐらい)の作家さんが書いた方が真に迫るものがありますね。科学の発展やら冷戦がリアルタイムで起こっていたので。

 

タイトルの「さあ、気ちがいになりなさい」は難しすぎて何が何だか・・・でも、読んでいて確かに頭がぐるんぐるんしてくる感はありましたね・・・

自分をナポレオンの生まれ変わりと思い込んでいる男のお話・・・だったような気がします。異色作家~シリーズには「病んだ精神世界&狂気」がテーマのお話も多いですね。SF・サスペンス・ミステリーの定番なのでしょうか?きっとそうでしょうね。(確信)

 

ブラウンはSF黄金時代を代表する作家さんのようですね。『ヒッチコック劇場』でも原作が採用されたこともあるとか。確かにヒッチコックの作品とも親和性高そうだしなー・・・自分の見たor好きな原作者同士が繋がると、とても嬉しくなったりしますね!

 

 

 

 

さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)

さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)