随想手帖

時に真面目に、時にゆるく綴っております。ちなみにオタク(腐)です。

「炎のなかの絵」(ジョン・コリア)異色作家短篇集⑦

ジョン・コリアはイギリス出身ですがアメリカでの活動が長い作家さんです。

(あのブラッドベリからも賞賛されたのだとか)

しかし、このシリーズではダールに続いてブリティッシュブラックユーモアを発揮しています。

可愛らしいorシンプルなタイトルとは裏腹に、そのお話は黒くて皮肉たっぷり!(@_@)

後味の悪いものが多くタイトル詐欺とはまさにこのこと。裏切られるのが好きなMな方におすすめです(笑)

ジャクスンと同じく、短い物語をたくさん詰め込んだ形式なので細かい内容までは忘れてしまいました;

 

『記念日の贈り物』

タイトル詐欺その1。「異色作家~」ではおなじみの夫婦ネタ。

ペットが題材のお話ですが『毒蛇』が出ます。

これだけでおおよその察しが付くと思います(苦笑)

 

『ささやかな記念品』

タイトル詐欺その2。青年が老人の家を訪ねます。

老人はちょっと変わったものを蒐集するのが趣味で、青年にもその品々を見せます。

その品々とは・・・

青年と老人のほのぼの心温まるストーリーかと思いきや、やられました(笑)

でも他の作品に比べると毒は少な目。イーリングコメディ短編でやったら面白そうです。

 

『ある湖の出来事』

タイトル詐欺その3。そして夫婦ネタその2。

シンプルなタイトルに反して作中最も残酷なお話の一つ。まさにブリティッシュアイロニーここに極まれり。ちょっとSF・ミステリー風。

 

『マドモアゼル・キキ』

タイトル詐欺その4。キキという名前の雌猫が主人公。

名前から『魔女の宅急便』や、猫が主人公ということからギャリコのお話を彷彿させたりしますが、そんな期待はすぐに裏切られます(苦笑)

人間社会にも劣らぬ猫社会の殺伐としたえげつない遣り取りが描かれています。

 

『ギャヴィン・オリアリー』

虫のノミが主人公という珍しいお話。人間以外の生き物を主人公とした創作物は数多いけれど、ノミは初めてでした。

これはコリアの作品の中では明るいほうかも。

そして、イギリスというよりはアメリカチックな雰囲気。

名前の時点でギャツビーっぽいし、アメリカのキザな男を連想させます。

 

『少女』

少女愛をテーマにした作品・・・にも見えますが、解釈の仕方によってはカ○○リズムとしても考えられるお話。

 

 

異色作家短編種の中ではジャクスンと同じく、人間の日常に潜む闇・狂気をテーマにしてるので、宇宙・仮想未来を舞台にしたストーリーはありません。

ダールの作風をもっとダークに救いがないようにした感じです。

シリアス:コメディ=8:2ぐらいの割合で映像にすると面白いかもしれません。

監督だとヒッチコックと相性が良さそう。

 

 

 

炎のなかの絵 (異色作家短篇集)

炎のなかの絵 (異色作家短篇集)